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加藤眞由儒

大黒さまからの伝言

更新日:2023年2月1日

私が初めて大黒さまにお会いしたのは今から30年ほど前、今の秘書に私の仕事のお手伝いをお願いしていた頃でした。今では全国チェーン展開している定食屋さんが池袋にあり、そこに2人で向かい合い注文したご飯を待っている時、秘書の右肩に大黒さまはちょこんと乗られて私を見ながらにこにこと微笑んでいらっしゃいました。とても整った綺麗なお顔立ちでグレーの日本の着物をお召しになっていらっしゃいました。独特の形をした頭巾も、打ち出の小槌も持たずに、ましてや米俵の上に乗っていると言う事もありませんでした。ですが私は一目で大黒さまだとわかりました。おそらく心で通じ合っていたからでしょう。私は日頃から霊や神さまを見慣れているので大抵の事では驚かないのですが、その時はビックリして思わず秘書に「大黒さまが肩に乗っていらっしゃる!」と叫んでしまいました。なぜならすぐ近くで神々しい光を放ち私を真っ直ぐ見つめていらっしゃったからです。神様や霊は多くの場合ただそこに佇んでいらっしゃるだけで私には気がつきません。私は彼等の注目を引かぬよう細心の注意を払ってその場をやり過ごします。このように真っ直ぐと見つめられる事は滅多になかったからです。



私が大黒さまを初めて意識したのはそれから遡ること1年ほど前。当時私は様々な宗教の教えを学ぶべく、日本のみならず世界中の宗教を研究し、時には宗教施設を訪れたりしていました。関西にあったある施設を訪れた時に私は大黒さまと対面しました。その大黒さまは真っ黒でとてもひょうきんな風貌で米俵の上に乗っていらっしゃいました。私は思わず心で語りかけていました。「失礼ですが大黒さま、どうしてそんなに真っ黒なのでしょうか。嫌ではありませんか。」大黒さまは「私はこんなに黒くないし、不細工でもない。すごく不本意である。しかもここには集会があるとき以外は誰も来ないので暇でつまらない」とおっしゃいました。今でもその時の会話を思い出すと笑ってしまいます。大黒さまはとても親しげでジョークのお好きな神さまだと思いました。

そう言ったことがあってからの池袋での再開ですのでとても感慨深いものがありました。私は大黒さまに色々とお聞きしてみました。元はインドで活動されていた戦いの神さまでした。秘書と私が気に入ったので行動を共にしたいとの事でした。神さまや霊は肉体を持たないので、食事や美しいものに触れたりすることができません。なので肉体を持つ人間に寄り添い感触を味わいます。

勉強会で霊が退屈のあまりまた人間に生まれ変わると申し上げたのはこう言う事です。

それだけこの地球上で五感を用いて生きていくと言うのは本当に有り難く奇跡的な事なのです。


話が逸れてしまいましたが、その定食屋は今ではトップクラスのチェーン店に成長しました。大黒さまがお出ましになると言う事はやはり特別な意味があるのだと確信した出来事でした。

その後私は事あるごとに大黒さまにお尋ねしました。大黒さまは神様と申しましても俗世にはとてもお詳しく、色々な私の質問に大黒さまご自身のお考えでお答えいただきました。また大黒さまの方からお声をかけていただくことも多かったです。とても他愛のないお話もされました。それこそ今日は雨が降るから傘を持っていくようにとか、今日は旬の筍を少しだけ食べましょうといったお話しでした。今日の相談では病気の話が出てくるので、あらかじめ専門書を読んでお医者さまに導くようにと言った具体的なアドバイスをいただくこともありました。



私が思った事は、神さまと人間の間には天と地ほどの差はなく、平和を愛する心、慈しみの心は同じであると言う事。そして神さまは肉体的な繁殖機能を持たないので、人間の持っているドロドロとした欲がない事。しかしこれは人間が持っている種の保存と言うある意味宿命的なものであり、どうする事もできないのですが。

大黒さまはいつもとても品の良い上質で落ち着いた色合いの絹の着物と袴をお召しになっていらっしゃいました。しかしある時真っ白なお着物をお召しになられておりました。表情もどこか緊張されたご様子でした。それが立春の前日に当たる節分の日でした。この日は豆を撒きお祓いの儀式を行います。それはとても厳かで張りつめた空間でした。大黒さまは私たちに豆撒きをし自宅や職場を清めるように指示されました。そうして大黒さまはその様子を厳格に見守っていらっしゃいました。基本的に神様は人間の行動を見守っていらっしゃるだけで、ご自身では動かれません。たくさんの神様が一堂に会されて祈りをあげる儀式なども通常はありません。それぞれの土地をお守りになり人間の行動を見守り幸せを願っていらっしゃいます。

私たちはそれから毎年節分の義を取り計らってきましたが、ある年うっかり豆撒きを忘れてしまった時、いつもは穏やかな大黒さまに叱られました。大声を出すのではなく静かに諭されました。

大切なお清めの儀式なので決して忘れる事のないように、との事でした。

それ以来私たちは毎年欠かさず豆撒きを敢行し、立春を祝っています。



ここからは大黒さまからのご伝言です。

日本の神さまはその歴史から見ても国民の生活に根ざした親しみやすい存在です。大黒さまをはじめとした八百万の神さま達はもっとみなさまに寄り添い合いたいと願っております。

お近くの神社仏閣にお越しの際は親しみを込めてお声をかけてください。いつでも笑顔で答えていらっしゃいます。

また神さまは皆さまからどう思われているかとても気にされていらっしゃいます。鑑定の際にでも私や秘書にみなさまと神さまとのエピソードをぜひお聞かせください。

そして節分の日には日本中の人たちが一斉に国中を清めてご一緒にお祝いができますよう願っていらっしゃいます。

最近はだんだんと昔からの習慣が簡素化され、またコロナ禍も合間って集まって清めたり祝ったりと言う行事自体も少なくなってきました。

どうぞお手間でなければ来たる節分の日には簡単で結構ですので豆撒きをされてご自宅、職場等をお清めされてはいかがでしょうか。

ただし、お子様やペット等が豆等を誤飲したりしないように細心の注意を払ってくださいませ。

きっと清々しい気持ちで節目を迎えられるでしょう。

世界が平和でありますように。


(注意事項:写真の大黒さまは本文に登場する大黒さまではありません。)


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